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µ-velOSity リアルタイムOS

高速で使いやすいOS
integrity real-time-operating system

安全・セキュアで効率的なOS

µ-velOSityは、Green HillsのリアルタイムOS(RTOS)ファミリの中で最も小型のものです。幅広いマイクロコントローラアーキテクチャをサポートし、最高水準の機能安全・セキュリティ認証を取得しています。その合理的な設計、およびMULTI® 統合開発環境との緊密な統合により、µ-velOSityは習得しやすく使いやすいものとなっており、ユーザは高度な自動車、産業、IoTなどのソリューションを構築することが可能です。

Green Hillsは、40年以上にわたり多様な市場セグメントにおいて、ミッションクリティカルな組み込みシステム向けのソフトウェア製品、およびサービスを提供してきました。この数十年の歩みの中でGreen Hillsは、安全、セキュア、コンパクト、そして信頼性の高い組み込みマイクロコントローラ用オペレーティングシステムという業界のニーズに対する答えとして、μ-velOSityを構築しました。

信頼性の高い
マイクロカーネルアーキテクチャ

μ-velOSityは、最小限のフットプリントと、簡潔なAPIを備えた効率的で信頼性の高いカーネルです。主な特長として、以下があげられます。

  • 安全認証、およびセキュリティ認証
  • メモリ保護されたアプリケーション
  • 高速起動
  • 高速実行
  • シンプルなAPI

μ-velOSityは、アプリケーション、ミドルウェア、ドライバをカーネルメモリ空間外で実行できるようにします。このメモリ保護機能は、Armアーキテクチャのメモリ保護ユニット(MPU)を活用することで可能になります。この分離は安全性とセキュリティの基盤を提供し、これによりシステム設計者は、クリティカルなアプリケーションと、クリティカルでないアプリケーションの間の干渉を避けるという要件を満たすことができます。

μ-velOSityには、3つのビルド構成(速度、サイズ、およびデバッグ重視の最適化)が用意されており、開発者はRTOSの動作を迅速に調整することができます。特定のプロジェクト要件に合わせて追加のビルド構成を作成し、カスタマイズすることも可能です。


μ-velOSity は、アプリケーション、ミドルウェア、ドライバがすべてカーネルのメモリ空間の外で実行されるユニークなアーキテクチャを特長としています。

メモリ保護

μ-velOSityでは、アプリケーション、ドライバ、ミドルウェアをカーネル・メモリ空間外で実行できます。 μ-velOSityのMPUサポートにより、メモリをいくつかの異なる領域に分割することができ、それらの領域に割り当てられたタスクの安全でセキュアな分離が保証されます。

スケジューラ

μ-velOSityは、優先順位の高いクリティカルなタスクのイベントに対するリアルタイム応答を実現するために、優先順位ベースのプリエンプティブ・スケジューラを実装しています。最も優先順位の高いタスクが、常に最初にリソースを確保できます。

メッセージキュー

μ-velOSityのメッセージキュー・メカニズムは、効率的なタスク通信と同期を提供します。情報を素早く送ることができ、パフォーマンスが重要なアプリケーションには不可欠です。

安全認証

μ-velOSityは、複数の業界標準規格の認証を取得しており、システム設計者は、プロジェクト・ソフトウェアのコストと市場投入までの時間を削減することができます。これらの認証には以下が含まれます。

  • Secure Element-out-of-Context:
    - ISO 21434 (自動車セキュリティ)
  • Safety Element-out-of-Context (SEooC):
    - ISO 26262 ASIL D(自動車)
    - IEC 61508 SIL 3(産業)
    - EN 50128 SIL 4(鉄道)

対応ハードウェア アーキテクチャ

μ-velOSity は、下記のアーキテクチャをサポートしています。

  • Arm v7-M: Cortex-M4(F) with MPU; Cortex-M7(F) with MPU
  • Arm v7-R: Cortex-R5(F) with MPU
  • Arm v8-R: Cortex-R52 with MPU
  • RISC-V: RV32 IMC extended instruction set

今後のリリースでは、サポート対象の追加を予定しています。

最先端の開発ツール

Green Hillsは、40年以上にわたって組み込みシステムの開発と、デバッグのためのツールを提供してきました。μ-velOSityでは、最も包括的な組み込み開発ツール群を活用し、アプリケーションの完全な制御と可視化を実現することができます。開発ツールには、以下が含まれます。

  • MULTI 統合開発環境には、μ-velOSity用として高度なソースレベルデバッグのためのプロファイリングや、コードカバレッジの可視化が統合されており、同時に複数のタスクをデバッグできます。
  • C/C++最適化コンパイラは、Embedded C++やMISRA Cにも対応しており、業界で最もフットプリントが小さく、実行速度の速いコードを生成します。
  • ターゲットシミュレータは、ハードウェアが利用できない場合や、数に限度がある場合などに、μ-velOSity用のインストラクションアーキュレートのホストベースシミュレーション環境を提供します。
  • µ-velOSityのNew Project Wizardは、プロジェクトテンプレートやアプリケーションサンプルなどを提供し、短期間でµ-velOSityを立ち上げ、稼働させられるよう支援します。
  • Green Hills Probeは、マルチコアハードウェアの立ち上げや低レベルデバッグ、さらにトレースを利用した解析デバッグも可能です。
Green Hills advanced embedded development tools

Green Hills Probeは、4GBの高速トレースメモリと、40Gビット/秒のアグリゲートバンド幅を提供します。

安全性とセキュリティのための信頼できるソリューション

車載、産業、IoTアプリケーション仕様の最新のマイクロコントローラには、そのタスクに特化したRTOSが必要です。車載エレクトロニクスは、搭載されるメモリが非常に小さいECUノードのアプリケーションにおいて、サイバーセキュリティ、機能安全性、コスト、スケーラビリティがOEMの優先事項となっている良い例です。

一方では、RTOSはアプリケーションが、マイクロコントローラの限られた内部専用メモリに収まるようにしなければなりません。さらにもう一方では、RTOSは最新のマイクロコントローラの新しいドメイン固有のハードウェア機能に対して、アプリケーションが利用できるようにし、異なるCPUアーキテクチャやシリコン間で統一されたアプリケーションインターフェースを公開する必要があります。最終的に、RTOS上に構築されるソフトウェア・ソリューションには、最高レベルの安全性とセキュリティが保証されなければなりません。Green Hillsのμ-velOSityは、これらの要件をすべて満たしています。

μ-velOSityのRTOSとプラットフォームは、異なるクラスのアプリケーション、メモリフットプリント、性能、機能をカバーできるという点で、従来のAUTOSAR Classicの使用を完全に補完できるものです。

自動車用途

μ-velOSityは、以下のような用途に最適です。

  • スマートeヒューズ
  • ドライブ機構
  • ゾーンコントローラ、およびドメインコントローラ
  • バッテリー管理システム(BMS)
  • 通信モジュール
  • レーダー
  • セーフティ・アイランド/セーフティ・チェッカ
  • トラクション、ブレーキ、ステアリング・システム
  • その他多数のアプリケーション